◇血液分析の高田直樹さん／薬物分析の笹島康秀さん
事件解明のための正確な手がかりを見つける技術を磨きたいと、県警科学捜査研究所（科捜研）法医担当研究員の高田直樹さん（３０）と、科学担当研究員の笹島康秀さん（２８）が、今年４月からそれぞれ博士号取得のため岐阜大学大学院で研究生活をスタートさせた。県警は「高度な技術や知識を鑑定業務に取り入れてほしい」と期待している。
高田さんの研究テーマは「犯罪現場に残されている血液などの鑑定結果に影響を与える微生物について」。死後数日たったり、水中に長く置かれた遺体は、繁殖した微生物の影響で正確な結果を得られないことをことがある。
約５年間、殺人など数多くの現場に足を運び、血液を鑑定してきた高田さんは、「血液分析で個人の特定の精度を上げたい」と、研究途上の分野に挑んだ。
一方、後輩の笹島さんは、物質の分離解析技術「クロマトグラフィー」を用い、事件でよく使用される薬物の研究を進めている。日々新しい薬が開発され、成分を分離しにくい薬もある。構成する成分をできる限り細かく、正確に分離するための条件を見つようというのが、研究の中心だ。笹島さんは「最近は新しい種類の覚せい剤などの薬物がどんどん出回るようになった。詳しい分析で新たな事実が分かれば」と話す。
２人はともに、幼いころの興味が仕事につながっている。「昔からシャーロック・ホームズの探偵小説が好きだった」と高田さん...
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