http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070713-00000915-san-bus_all
　ムシムシ不快なこの季節、三角コーナーやゴミ捨て場を飛び回る「コバエ」は、台所の悩みの種だ。ハエ捕獲器市場は今や年間約１０億円ともいわれる。そんな中で、３月の発売後、右肩上がりに売り上げを伸ばし、“シーズン”が到来した６月第２週には１週間で約２０万個を販売するヒット商品となった。
　その裏には苦い思い出がある。「台所で殺虫剤を使いたくない」という声に応え、平成１２年に発売した「ハエとりポット」が爆発的売れ行きに。しかし、「目の前にコバエがいるのに、穴に入っていかない」という苦情が相次ぎ、１年間で販売中止を余儀なくされた。「コバエの生態研究が不十分だった」と商品企画課の永松孝之課長（４４）は振り返る。



　その後、需要を見込んだ他社の参入が相次ぎ、ハエ捕獲器市場は大きく成長していった。
　画期的な製品で見返したい。そんな思いから、コバエの徹底研究が始まった。大きな容器に１００～１０００匹を入れて観察を重ねる。「角や出っ張りに止まりたがる“先端フェチ”はすぐ分かりました。でも、なかなか穴の中に入ってくれない」。意外にコバエは手ごわかった。そこでまず中身を工夫した。殺虫ゼリーにメロンや黒酢、紹興酒などコバエが好む香りをつけた。また、「ゴミの中に入って卵を産み付ける」習性から、殺虫ゼリーを５ミリ四方のキューブ状にし、隙間（すきま）に潜り込みやすくした。
　さらに容器にはコバエが大好きな突起を付け、内部には誘導路を作ってゼリーまで歩いてたどり着くよう工夫...

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